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五浦海岸

(いづら かいがん)

自然と芸術が融合した絶景の地

茨城県北茨城市にある五浦海岸は、太平洋の荒波によって生み出された壮大な自然美と、岡倉天心をはじめとする多くの芸術家たちによって育まれた文化が融合した、日本を代表する景勝地です。花園花貫県立自然公園に属しています。

「関東の松島」とも称され、大小様々な形の入り江や、高さ約50メートルの断崖絶壁が連なり、その美しさから多くの観光客に愛されています。日本の渚百選、日本の音風景100選、茨城百景、日本の地質百選に選ばれています。

景観と登録記念物

五浦海岸は、太平洋の荒波によって侵食された大小5つの入江が連なり、高さ50mの断崖絶壁が続く壮大な景観を持っています。岡倉天心が愛した地としても知られ、その風景は一枚の日本画のようだと称されています。特に、岡倉天心旧宅・庭園および大五浦・小五浦の一部は国の登録記念物に指定されており、その美しさと歴史的価値が認められています。

岡倉天心と五浦海岸

五浦海岸は、近代日本美術の発展に大きな影響を与えた岡倉天心が愛した場所としても有名です。岡倉天心が設立した日本美術院は、横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山などの著名な画家たちが学び、日本画の創作活動を行った場所です。

天心の住居跡には茨城大学五浦美術文化研究所が設立され、茨城県天心記念五浦美術館では日本画を中心に所蔵・展示されています。また、天心が建てた六角堂は、2011年の東日本大震災で津波により消失しましたが、創建当時の姿で再建されました。

六角堂

六角堂は、岡倉天心がアメリカから帰国後に建てたもので、その赤い建物と松の緑、太平洋の青さが織りなす風景は見事です。六角堂は2011年の津波で流失しましたが、茨城大学を中心に修復作業が進められ、2012年に再建されました。

五浦海岸の地形と成り立ち

五浦海岸の美しい景観は、太平洋の荒波と地質によって生まれました。海岸は硬い岩石と削られやすい岩石が混在しており、波の浸食により独特の地形が形成されています。海岸沿いには高さ約50mの断崖絶壁が続き、その上にはクロマツが生い茂っています。

五浦海岸は南から「小五浦」「大五浦」「椿磯」「中磯」「端磯」の五つの浦(磯)があって、これが名前の由来になっています。五浦海岸は「日本の渚百選」にも選ばれており、特に断崖絶壁の上から見る太平洋の景色は圧巻です。

亀ノ尾層と九面層

五浦海岸の亀ノ尾層は、深い海の中で砂や泥が溜まってできた地層で、縞模様が特徴です。この地層は、1700万年ほど前の火砕流や火山灰によって形成されました。一方、九面層では、多くの貝化石や海底に住む生物の巣穴の化石が見られ、ムカシオオホホジロザメの歯の化石も発見されています。

観光スポットと名所

五浦海岸には、岡倉天心ゆかりの六角堂をはじめ、多くの観光スポットがあります。五浦岬公園からは六角堂や五浦の入り江を一望でき、国内外の観光客に人気です。また、映画『天心』のロケセットも見学することができます。

他にも茨城大学五浦美術文化研究所、茨城県天心記念五浦美術館、天心遺跡記念公園、岡倉天心の墓、忘れじの碑、大津岬灯台、野口雨情記念館など、多くの名所があります。

名物と温泉

五浦海岸周辺の名物として、アンコウ(鮟鱇)料理が有名です。「東のあんこう、西のフグ」と称される茨城県の冬の風物詩であり、訪れる観光客に大変人気があります。また、五浦温泉や五浦元湯温泉などの温泉もあり、訪れる人々を癒やしています。

交通アクセス

五浦海岸へは、国道6号を日立から勿来関跡に向かう途中にあります。陸前浜街道を経由して訪れることができます。

美しい景観と歴史的な背景を持つ五浦海岸は、多くの人々に愛され続けている観光地です。ぜひ一度訪れて、その魅力を堪能してみてください。

Information

名称
五浦海岸
(いづら かいがん)

日立・高萩・奥久慈

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