泉質と効能
泉質
袋田温泉の泉質は、以下の通りです:
- ナトリウム硫酸塩塩化物泉: 源泉温度29℃
- 単純温泉: 源泉温度43℃
無色透明無臭の重炭酸含有泉で、飲泉による効能もあるとされ、飲用医薬部外品としての許可を取得しています。アルカリ性単純温泉は、美肌・筋肉痛・神経痛・関節痛・五十肩・うちみ・くじきなどの効能があるとされています。
温泉街と観光スポット
周辺の温泉地
袋田温泉の他にも、大子温泉、月居温泉、淺川温泉、森林の温泉などが周辺にあり、これらを総じて奥久慈温泉郷と呼ばれています。
自然と景観
袋田の滝は日本の滝百選にも選ばれており、周辺には月待の滝や大子観光やななど、自然と景観を楽しめるスポットが点在しています。秋の紅葉、春の新緑、夏のアウトドア活動、冬の袋田の滝の凍結やシガなど、四季折々の美しい風景を堪能できます。
地元の食材
奥久慈軍鶏は全国特殊鶏(地鶏)味の品評会で1位に輝いたことがあり、その他にも久慈川の鮎、蕎麦、蒟蒻、湯葉、山菜などが有名です。また、大子町にはりんご畑が多く、秋にはりんご狩りを楽しむことができます。
祭りとイベント
中田植
中田植(ちゅうだうえ)は、伝統的な田植えの祭りで、多くの人々が参加します。
花火大会と灯ろう流し
夏には花火大会と灯ろう流しが開催され、美しい夜空を彩ります。
八溝嶺神社祭礼
八溝嶺神社祭礼(梵天祭り)は、地域の伝統行事として親しまれています。
袋田温泉の歴史
開湯と伝説
袋田温泉の開湯は平安時代に遡り、古くから「袋田の湯」として県内の人々に利用されていました。田んぼの中から自然湧出(ゆうしゅつ)泉があり、「田毎の湯」とも呼ばれていました。
歴史的背景
水戸藩の地理学者長久保赤水の「地理考・常陸之部」には「温泉は袋田の湯といふ。月居山の下、宿並の後山際にあり、男女百病を治す」と記されています。
1860年(安政7年)3月3日、桜田門外の変で実行隊長として襲撃を指揮し、大老井伊直弼を暗殺した関鉄之介は、薩摩藩などを逃げ回るも受け入れられず、袋田の桜井家に潜伏し、袋田温泉で治癒したと言われています。袋田温泉には関鉄之介の歌碑が建てられています。
観光地としての発展
近くには景勝地袋田の滝があり、1929年(昭和4年)の東京日日新聞(現在の毎日新聞社)が行った「日本新名所二十五勝」の人気投票にも選ばれました。水郡線常陸大子駅が開通し、1934年(昭和9年)10月には全通し沿線各地の交通が開け、多くの観光客で賑わうようになりました。
太平洋戦争の頃は袋田温泉が胃腸病に特効があると認められ、海軍の指定旅館となりました。現在は株式会社IHSが経営しています。
温泉開発の歴史
開発の始まり
1935年(昭和10年)8月、茨城交通を経営していた竹内勇之助によって温泉開発が計画されました。1936年(昭和11年)4月にボーリングは地下約450mに達し、摂氏45度、涌出量は一昼夜で約1,500石余の重炭酸泉の湯脈を得ました。
同年11月に袋田温泉ホテルが営業を開始し、現在に至るまで多くの人々に愛されています。