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旧上岡小学校

(きゅう うわおか しょうがっこう)

ノスタルジーあふれる小学校の教室

茨城県大子町にある旧上岡小学校は、明治時代に建てられた木造校舎がそのままの姿で残る、貴重な歴史的建造物です。明治12年(1879年)に創立され、昭和16年に上岡国民小学校、昭和22年に上岡小学校と改称されました。最盛期には278名の児童が在籍しましたが、平成13年(2001年)3月に閉校となりました。

茨城県内の小学校校舎としては旧水海道小学校玄関に次いで二番目に古く、現地保存されているものとしては県内最古の校舎です。近年はロケ地や地域住民の活動場所として活用されています。

旧上岡小学校の創立と変遷

創立と移転

旧上岡小学校は、明治12年(1879年)に創立され、明治22年に大子尋常小学校上岡分教場となり、明治25年に上岡尋常小学校として独立しました。明治44年には校地を現在地に移転し、順次校舎が建てられて現在の姿となりました。

学校の変遷

昭和16年に上岡国民小学校となった後、昭和22年に上岡小学校と改称されました。大字上岡と大字山田を学区とし、創立当初の児童数は51名でしたが、昭和35年には278名と最盛期を迎えました。しかし、その後は児童数が減少し、平成13年(2001年)に閉校となりました。

閉校後の保存活動と活用

閉校後、地元の方々により「上岡小学校跡地保存の会」が組織され、維持管理に尽力しています。近年では、旧上岡小学校はロケ地や期間限定のイタリアンレストランとして使用され、平成23年および24年にはそれぞれ年間5万人近い来場者があり、積極的に活用されています。

校地の特徴と建築構造

地理的条件

旧上岡小学校の校地は国道461号線に面し、南には栃木県境から流れる押川が東西に流れています。地形的には、北の八溝山塊と南の鷲子山塊に挟まれた比較的平坦な土地に位置し、南側を校庭として校舎を北側に配置しています。

第一棟の構造

明治43年築の第一棟は、寄棟造、金属板葺きで、中央には切妻の玄関が取り付けられています。内部は北側片廊下式で東西に4室が並び、東西に昇降口があります。

第二棟と第三棟の構造

第二棟は昭和12年築で、現在は講堂と多目的室の2室を有しています。第三棟は昭和38年築で、第一棟の東に南面して建てられており、教室2室と保健室(現:厨房)が設けられ、北側には便所が接続されています。柱を添え柱として柱上部には方杖を入れるなど、構造的に強固なつくりとなっています。

その他の建物

第一棟西側には平成4年築の理科室、その南には昭和27年築の図書室があり、校庭東側には明治43年築の物置がありますが、これらは多くの改造が施されています。

旧上岡小学校の建築基準と重要性

各校舎は、平面構成や採光方法など、日本の近代学校建築の設計基準確立に最も大きく影響した明治28年「学校建築図説明及設計大要」をよく順守しています。茨城県下の小学校においては、明治期の校舎は県指定文化財である旧水海道小学校本館(明治14年)と旧上岡小学校第一棟の2棟のみで、地方における明治期の小学校の様子を伝える重要な建築物です。

第二棟と第三棟の発展

第二棟と第三棟には、主に設備面や構造面での発展が見られ、学校建築の展開を示す上で重要です。これらの建物は、地域の教育史を物語る貴重な存在となっています。

登録有形文化財

旧上岡小学校の建物群は一部が改装されているものの、規模は建築当初のまま維持されており、2014年(平成26年)12月19日に、建物3点が国の登録有形文化財に登録されました。

旧上岡小学校の活用

旧上岡小学校は地域住民の陶芸や絵画教室等に活用されています。また、そのノスタルジックな佇まいから、数々のドラマや映画のロケ地としても使用されています。

主な撮影実績

映画
テレビドラマ
テレビバラエティ
ミュージックビデオ
CM・写真撮影他
アニメ・同人

見学情報

旧上岡小学校は、土・日・祝日に校舎内を見学することができます。見学時間は9:00〜16:00で、見学料は無料です。

Information

名称
旧上岡小学校
(きゅう うわおか しょうがっこう)

日立・高萩・奥久慈

茨城県