わらを束ねて作った食品を入れる包みを”わらつと”(藁苞)といい、そこに一つずつ手作業で煮豆を詰めて、わらに付着している納豆菌が繁殖し、大豆は発酵して納豆になるという、昔ながらの製法で作られるのが”わらつと納豆”。粘り気が一般的なパックものよりも少ないが、わらが納豆の水分を適度に吸収し、旨みが凝縮され、程よい歯ごたえが味わえる。わらの香りが納豆の風味を引き立て、存在感を増した納豆の味は「この味こそが納豆」という人もいるほどだ。近年では、納豆を使った料理も増え、様々な場面で活躍する納豆だが、本場の味を確かめるためにも、ご飯に納豆をかけるだけというシンプルな食べ方を試して欲しい。
小粒納豆
明治時代に遡ると、全国的に納豆には大粒の大豆が一般的に使用されていました。しかし、茨城県では水害を回避するために早生品種の小粒大豆が多く生産され、これが茨城の納豆に使われていました。
その後、常磐線の開通により水戸の納豆がお土産として広まる中で、小粒の納豆が旨いとの評判が広がり、人気を博していきました。
茨城県では後に、納豆に適した小粒大豆を選抜・改良し、「納豆小粒」という品種が誕生しました。