四季折々の美しい庭園と共に歴史にふれる
茨城の原始・古代から近現代に至る歴史の流れを概観できる常設展をはじめ、特別展および年数回の企画展が開催されています。一橋徳川家記念室でも年数回の展示替えを行っています。
偕楽園公園の一部でもある広い敷地内には、茨城県指定文化財である旧水海道小学校本館や旧茂木家住宅も移築されています。銀杏並木をはじめとする樹木や草木が季節ごとに美しい風景を見せてくれます。
銀杏の葉で織りなす金色のカーペット
庭園の銀杏並木が黄葉を迎える11月には、「歴史館いちょうまつり」が開催されます。土・日・祝日を中心に和楽器の演奏会、お茶会、体験遊びなど、日本の伝統文化を楽しむイベントが行われます。
概要
茨城県の歴史についての「公共博物館」と「文書館」の機能を合わせ持つ施設として、1974年(昭和49年)に開館しました。旧茨城県立水戸農業高等学校の敷地に建設され、その本館が敷地内で保存されています。
一橋徳川家からの寄贈を受けた多数の蔵書や品々をもとに、一橋家記念室等も開設されています。偕楽園の北隣に位置していて『茨城108景をめぐる』では「規模の大きさ、展示物の豊富さからすると一度見ておく価値は十分にある」と評されています。
展示
歴史系総合展示「茨城の歴史をさぐる」
原始・古代から近・現代までを13のテーマで区分し、各時代の変わり目に「歴史の光」コーナーを設けています。それぞれの時代の特色ある項目を選び出し、映像やグラフィックパネル、模型、レプリカ、実物資料など多様な資料を活用して茨城の歴史がわかりやすく概観できるように構成されています。
昔のくらし
明治・大正から昭和ごろのくらしの移り変わりを、映像や実際に使われていた道具から紹介します。100年前から150年前の電気が登場する前のくらし、電気が登場したあとのくらしを再現しています。それぞれの部屋を見比べて、どんな違いがあるか探してみてください。
一橋徳川家記念室
『御三卿』の一つとして高い格式を誇った一橋徳川家の12代当主徳川宗敬氏から寄贈された総数約6,000件にのぼる伝世の美術品や文書、記録類を収蔵し、テーマ別にその貴重な資料を公開しています。
旧水海道小学校本館
旧水海道小学校本館は、木造2階建ての塔屋付擬洋風建築で、水海道市(現・常総市)から茨城県立歴史館へ寄贈・移築された歴史的建築物です。1958年(昭和33年)3月12日に茨城県の有形文化財に指定されました。
水海道の豪商たちの寄付5千円などを建設資金とし、羽田美智子の義理の高祖父である宮大工棟梁・羽田甚蔵によって設計・施工され、1881年(明治14年)に建設されました。1971年(昭和46年)に現在地に移され、館内では明治から昭和戦前期までの教育資料や、日本最古級のグランドピアノ(スタインウェイ・アンド・サンズ社、1865年製)などが展示されています。
東日本大震災の際に内壁が崩落するなどの被害が生じましたが、修復工事の後、2011年(平成23年)7月5日に再開されました。
旧水海道小学校本館内展示室
旧水海道小学校本館の内部には複数の展示室があります。常設展として昔の教室を再現した展示を行い、教卓、学習机、椅子、オルガンの他、昭和20年代から平成時代までの学校給食の移り変わりが給食レプリカによって展示されています。また、明治時代から昭和時代にかけて使用されていた教科書等も展示しており、学校教育の移り変わりについて実物資料を通して学ぶことができます。
別の展示室では、茨城県の発展に尽くした先人たちの業績をパネルで紹介する「茨城の先人たち展」や、現在の常総市立水海道小学校にある「歴史の部屋」について紹介する展示も行っています。その他、「御影奉安所」や「仕丁控室」など、当館所蔵資料を活用したスポット展示も行っています。
旧茂木家住宅
18世紀前半に建てられたと見られる直屋型の農家です。潮来市から昭和48年(1973年)に移築されました。特徴として、柱には行方地方に多い椎のノタ付柱が使われています。建築年代は江戸時代の中期頃と見られ、茨城県南部地方の民家の一形式を伝える貴重なものです。
旧水戸農業高等学校本館
歴史館の敷地には、1899年(明治32年)から1970年(昭和45年)まで、茨城県立水戸農業高等学校がありました。建物は旧校舎本館を復元したものです。
所蔵文化財
重要文化財(国指定)
茨城県三昧塚古墳出土品
金銅馬形飾付透彫冠、金属製品一括、砥石、玉、竪櫛残欠、石棺、附 鉄製品残欠一括、附 ガラス小玉残欠一括、附 埴輪残欠などが含まれます。
一橋徳川家関係資料
文書・記録類4,017点、書画・典籍類224点、器物類460点、写真14点などが収蔵されています。