常陸牛とは? ─ 茨城県が誇る最高級ブランド牛
常陸牛とは、茨城県内の指定生産者が育てた黒毛和牛のうち、日本食肉格付協会の枝肉取引規格で「歩留等級AまたはB」、「肉質等級4以上」に格付けされた牛肉のことを指します。 この厳しい基準をクリアしたものだけが「常陸牛」の名を冠することが許されます。
常陸牛の呼び名
一般的には「ひたちぎゅう」と呼ばれていますが、かつては「ひたちうし」とも呼ばれていました。 現在でも、長年親しんできた人々の間では「ひたちうし」という呼び方が使われることがあります。 商標登録では、「ひたちぎゅう」「ひたちうし」の両方が認められています。
常陸牛の歴史 ─ 200年の伝統を受け継ぐブランド牛
江戸時代から続く牛の飼育
常陸牛の歴史は古く、天保3年12月(1832年)、水戸藩主・徳川斉昭が現在の水戸市見川町に「桜野牧」を設け、黒牛の飼育を開始した記録が残っています。 その後、長い年月を経て茨城県北部を中心に黒毛和種の飼育が定着し、県内全域へと広がっていきました。
ブランド牛としての確立
昭和51年(1976年)、茨城県産の優れた黒毛和種をブランド化するため、「茨城県産牛銘柄確立推進協議会」が発足。 翌年には「茨城県常陸牛振興協会」が設立され、「常陸牛」という名称のもと、統一ブランド化が進められました。
品質保証とブランド力の向上
平成17年(2005年)11月からは、東京都中央卸売市場を含む3市場で取引される常陸牛に「産地証明書」が発行されるようになり、ブランドの信頼性が高まりました。 また、近年では海外への輸出も進み、平成26年(2014年)10月にはベトナムへの輸出が正式に決定。 その後、タイをはじめとする海外市場にも進出し、常陸牛の評価は国際的にも高まっています。
常陸牛の特徴 ─ きめ細やかな肉質と柔らかい霜降り
選び抜かれた牛だけが「常陸牛」に
常陸牛は、以下の厳しい基準をクリアした牛のみが名乗ることを許されます。
- 茨城県内の指定生産農家が育てた黒毛和牛であること
- 日本食肉格付協会の枝肉取引規格で「肉質等級4」以上であること
- 「歩留等級AまたはB」に格付けされていること
- 生後30か月以上の飼育期間があること
これらの厳格な条件を満たした常陸牛は、ほどよく脂がのった赤身が特徴的で、口の中でとろけるような食感を生み出します。
こだわりの飼育方法 ─ 安心・安全の品質管理
栄養バランスを考えた飼料
常陸牛の美味しさを支えるのは、こだわり抜かれた飼育方法です。 指定生産農家では、牛に与える飼料にも細心の注意を払っています。
- 主な飼料:大麦、小麦、とうもろこし、大豆、乾牧草、稲わら
- 子牛の育成期:十分な運動を行い、丈夫な骨格を形成
- 仕上げ期:運動量を制限し、肉質の向上を図る
このように、各成長段階に合わせた管理を行うことで、常陸牛ならではのきめ細かい肉質と豊かな風味が生み出されます。
常陸牛の美味しい食べ方
すき焼き ─ 霜降り肉の旨みを最大限に引き出す
常陸牛の霜降り肉は、すき焼きに最適です。 甘辛い割り下と絡めることで、肉の旨みととろけるような食感を堪能できます。
ステーキ ─ シンプルな味付けで肉本来の味を楽しむ
常陸牛の赤身の旨みをダイレクトに味わうなら、ステーキがおすすめです。 塩・胡椒でシンプルに味付けし、表面を香ばしく焼き上げることで、極上の味わいを楽しめます。
しゃぶしゃぶ ─ 柔らかな食感と上品な風味
薄くスライスした常陸牛を、さっと湯にくぐらせるしゃぶしゃぶ。 ポン酢やゴマダレにつけて食べれば、あっさりとした味わいの中に、肉のコクが広がります。
まとめ ─ 常陸牛は茨城県が誇る最高級和牛
常陸牛は、茨城県の豊かな自然と生産者の努力によって生み出される極上のブランド和牛です。 長い歴史を持ち、厳格な基準で選び抜かれた常陸牛は、その美味しさと品質の高さで多くの人々を魅了しています。 ぜひ一度、常陸牛の極上の味わいを堪能してみてください。