歴史的背景
中崎家は中世以来この付近に住んだ地侍の後裔と伝えられており、代々庄屋を務めていました。中崎家住宅は元禄元年(1688年)の建築とされ、昭和43年(1968年)には国の重要文化財に指定されています。
現在の敷地は城跡にあたり、西北に堀跡を残しており「堀の内」の屋号で呼ばれています。初代は藤原左京といい、天文5年(1536年)に生まれ、84歳で亡くなっており、以下代々その位牌が当家に保存されています。
建築の特徴
中崎家住宅は、桁行14.81メートル、梁間8.2メートル、平面積124.8平方メートル、屋根面積245平方メートルの古民家です。現在は直家ですが、建物の調査により別棟造であったことが明らかとなりました。この形式は居室部分である主屋と、土間部分の2つの建物が接して建てられ、平面上は曲屋と似た間取りとなります。
保存状況
市内には他にも幾つか古民家が残っていますが、元禄時代まで遡り当初の形式を保っているものは他にありません。また現在の敷地は城館跡にあたり、「堀の内」の屋号で呼ばれているように北西に堀が残っています。
建物の詳細
中崎家住宅はその歴史的価値と建築様式の独自性から、保存が進められています。元禄元年の建立とされるこの建物は、江戸時代の農家の生活を現代に伝える貴重な遺産です。特に、かやぶき屋根や別棟造の形式は当時の生活様式や建築技術を今に伝えています。