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七ツ洞公園

(ななつどう こうえん)

テルマエ・ロマエのロケ地としても知られる英国式庭園

茨城県水戸市にある七ツ洞公園は、豊かな自然と歴史が調和した美しい公園です。イギリス式の自然風景式庭園として設計され、映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地としても知られています。

イギリス式庭園の魅力

七ツ洞公園は、水戸市の北西部に位置し、周辺の豊富な水と池を利用してつくられたイギリス式の自然風景式庭園です。園内には大小5つの池があり、イギリスから輸入したパビリオンやフォリーが設置されています。また、煉瓦と生垣に囲まれた庭園「秘密の花苑」には、季節の花々が咲き誇ります。

映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地

平成24年には、映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地として使用されました。園内にはイギリスから輸入した石材や煉瓦によるパビリオンやフォーリーなどが散在しており、その景観が古代ローマを彷彿させます。

七ツ洞公園のエリア構成

園内は、直径50mのイギリス式円形花壇「秘密の花苑」を中心としたエリアAと5つのダムと池からなるエリアBに分かれています。現在の敷地は約8haですが、ピクニックガーデンのエリアCおよび芸術の森のエリアDの整備が予定されており、最終的な敷地面積は約14.7haとなる計画です。

設計と建材

設計はイギリスのランドスケープコンサルタント会社によるもので、パビリオン(四阿)やフォリー(模造建築物)等の園内施設の建材はイギリスから輸入されたものを使用しています。「七ツ洞」という名称の由来は、園内にある権現山横穴群という遺跡に由来し、7基の横穴式古墳(現存するのは5基)があったことによります。

自然との融合を願う英国風景式庭園

七ツ洞公園は、水戸市の郊外にあり、美しい田園風景の中、豊かな水と森に恵まれています。自然に曲がる小路や清流のせせらぎ、自由に枝を伸ばす樹々など、英国法人の設計と建材を使用し、自然風景のように作庭された日本では珍しい本格的な英国風景式庭園です。

七ツ洞公園の特徴

サーペンタイン

サーペンタインとは、「蛇がうねったような」という意味です。七ツ洞公園の中央に連続する4つの池は、まさにそのような形状です。これは直線的・規則的な造形を嫌い、自然の曲線や不規則性を重視して自然風景を設計に取り入れる18世紀の英国風景式庭園(自然風景式庭園)の典型的な手法です。この時代の英国庭園では、古代ローマを描いた風景画やピチャレスクの理念に影響を受けています。

5つのダムはその水の流れに呼応して、上流には古代的な造形、下流には近代的な造形と、時代の変遷を表現しています。また、時代の経過や粗さを表現する廃墟のフォリーや、古代ローマの風景画を再現しようとしたパビリオンなども造られています。

秘密の花苑

イングリッシュローズをはじめ、四季折々の美しい花々が咲き誇る、レンガと生垣に囲まれた静かな空間、それが「秘密の花苑」です。ビクトリア朝のパーゴラやクラシックなベンチも花々に色を添えています。この「秘密の花苑」のように、いっぱいの草花を植えこんだ庭園様式を「コテージガーデン」といい、19世紀以降に英国で流行しました。このように、18世紀型の「自然風景式庭園」だけでなく、19世紀型の「コテージガーデン」の特徴を併せ持つ七ツ洞公園は、日本ではとても珍しく貴重な存在です。

なお、七ツ洞公園自体は利用時間は限られていませんが、「秘密の花苑」は開園時間が8時30分から17時00分(11月~2月の間は16時00分)までとなっておりますのでご注意ください。

七ツ洞の由来

七ツ洞公園のある地名は「下国井町」ですが、ダムCとダムDの間の池のほとりには、古墳時代の遺跡である「権現山横穴群」が残されています。この横穴(洞)は、現在5つ存在しますが、かつては7つあったとされ、これが「七ツ洞公園」の名称の由来となっています。池の水位が低いときは、ダムDからその様子を見ることができます。

沿革

1987年 「ふるさとの森整備事業」として整備開始
1989年 公園敷地が環境庁から「ふるさといきものの里」に選定される
1999年 開園
2011年 東日本大震災により一部の施設が倒壊
2012年 映画「テルマエ・ロマエ」のロケが行われる
2012年 「秘密の花苑」の管理に水戸市植物公園が関わることになる

ふるさといきものの里

現在の公園敷地は小動物生息環境保全地域として1989年(平成元年)4月27日に環境庁(現在の環境省)から「ふるさといきものの里」に選定されています。園内にはゲンジボタルやヘイケボタル、トンボ類などが生育しています。

Information

名称
七ツ洞公園
(ななつどう こうえん)

水戸・笠間・ひたちなか

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