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石切山脈

(いしぎり さんみゃく)

日本最大級の採石場が生んだ絶景

茨城県笠間市にある石切山脈は、稲田石(稲田白御影石)の採石場として知られるだけでなく、近年ではその雄大な景観が注目を集め、新たな観光スポットとして人気を集めています。石切山脈は東西8㎞、南北6㎞にわたり、その採掘規模は日本最大級とされています。現在は、休止した採石場に地下水がたまり、湖のような景観が広がり、訪れる人々を魅了しています。

稲田石の歴史と特徴

石切山脈で採掘される稲田石は、約6,000万年前に海底深くで長い時間をかけて冷却され、固まった花崗岩の一種です。この石は、その際立った白さと美しい光沢から「白い貴婦人」とも呼ばれ、高品質であることで知られています。そのため、国会議事堂や日本橋、最高裁判所などの歴史的建造物にも使用されています。

稲田石の採掘の歴史

稲田石の採掘は明治22年に始まりました。その採石場は、笠間市稲田を中心に南北6km、東西8kmに及び、日本最大級の規模を誇ります。稲田石は、長石が60%以上を占めるため、白く美しい色調が特徴で、非常に優れた耐久性を持っています。そのため、全国有数の建築物に使用されており、日本国内でも特に重要な石材として評価されています。

石切山脈の絶景と観光スポット

近年、石切山脈は絶景スポットとして注目されています。休止した採石場に地下水がたまり、広大な岩壁と相まって湖のような美しい景観を作り出しています。この景観は「茨城のグランドキャニオン」とも称され、各メディアやSNSでも多く紹介されています。そのため、多くの観光客が訪れ、稲田石の歴史や自然の美しさを楽しんでいます。

観光施設とツアー

石切山脈内には観光客向けの施設も充実しています。展示場内にはカフェが設けられており、軽食を楽しみながら絶景を堪能できます。また、採石場内を巡る「プレミアムツアー」も催行されており、車両で採掘場を巡ることで、稲田石の採掘の歴史や壮大な景観を間近に感じることができます。

前山採石場の絶景

現在では使われていない採掘場跡である「前山採石場」は、地下65メートルまで掘り下げられた場所で、岩の割れ目に湧き水や雨水がたまり、湖のような景観を生み出しています。この場所は「古代遺跡のような景観」や「地図にない湖」とも呼ばれ、その神秘的な美しさから観光客の人気を集めています。

茨城百景に選ばれた理由

石切山脈は、その圧倒的な景観と歴史的価値から「茨城百景」にも選定されています。自然の山ではなく、長年にわたる採掘の歴史が生み出した人工的な山脈と湖が、この地域独特の風景を作り出しています。そのため、訪れる人々は、自然と人間の手が織り成す壮大な景観を堪能することができます。

稲田石の利用とその意義

稲田石は、その美しさと耐久性から、日本国内外で広く使用されています。特に、日本橋や東京駅、国会議事堂、最高裁判所などの重要な建築物に使用され、その品質の高さを証明しています。また、稲田石は日本国内でも珍しい白御影石として知られており、その独自の魅力から、多くの建築家やデザイナーに支持されています。

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石切山脈
(いしぎり さんみゃく)

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