茨城県陶芸美術館のテーマ
茨城県陶芸美術館は、「伝統工芸と新しい造形美術」をテーマに、「ときめく」「識る」「楽しむ」の三つのキーワードで、陶芸の魅力を伝えています。ミュージアムショップでは、笠間焼をはじめとする陶芸作品や、関連する書籍やグッズを購入することができ、展示作品だけでなく、陶芸にまつわる様々なアイテムにも触れることができます。
展示室と収蔵品の紹介
第1展示室:近現代陶芸の巨匠たち
第1展示室では、日本近現代陶芸において重要な役割を果たした文化勲章受章者や重要無形文化財保持者の作品が常設展示されています。特に、板谷波山や松井康成の作品が紹介されており、彼らの陶芸に対する情熱と創造性を感じることができます。これらの作品は、陶芸の歴史を理解する上で欠かせない存在であり、訪れる人々に深い感動を与えます。
第2展示室:茨城ゆかりの陶芸家たち
第2展示室では、茨城県にゆかりの深い陶芸家たちの作品が展示されており、テーマに沿った展示替えが年3回行われます。これにより、常に新しい視点から陶芸作品を鑑賞することができ、現代陶芸の多様性とその発展を感じることができます。
企画展示室:国内外の工芸作品
企画展示室では、陶芸を中心に国内外の優れた工芸作品を紹介する企画展が年4回開催されます。これらの企画展は、陶芸を超えた幅広い工芸の世界を紹介するものであり、訪れる人々に新たな発見と感動を提供します。
県民ギャラリー:創作活動の発表の場
県民ギャラリーは、個人やグループが幅広い創作活動の発表の場として利用できる貸ギャラリーです。展覧会の規模によってスペースを分割して使用することも可能で、企画展の第2会場としても使用されることがあります。このギャラリーは、地域の文化活動を支援し、多くのアーティストにとって重要な発表の場となっています。
施設紹介
エントランスロビーとミュージアムショップ
美術館のエントランスロビーは、明るく落ち着いた空間で、訪れる人々がくつろげる場所となっています。ロビーの一角にはミュージアムショップがあり、笠間焼や全国の陶芸作家の作品、陶芸に関する書籍やグッズが販売されています。また、特別企画展の図録や関連商品も取り扱っており、陶芸ファンにとっては見逃せないショップです。
レストラン
美術館内には、四季折々の景色を楽しめる眺望の良いレストランがあります。展示鑑賞の後に、ここでゆったりとした時間を過ごし、美味しい食事を楽しむことができます。このレストランは、訪れる人々にリラックスしたひとときを提供し、美術館での体験をさらに豊かなものにしてくれます。
松井康成:笠間焼の革新者、練上手の達人
松井康成は、日本の伝統工芸である笠間焼を世界に知らしめた重要な陶芸家の一人です。特に、異なる種類の粘土を練り合わせることで独特の質感と色彩を生み出す「練上手」という技法を確立し、笠間焼に新たな可能性を開きました。創作活動の舞台となったのが、茨城県笠間市の月崇寺です。大学卒業後に月崇寺の住職を継ぎ、1960年33歳で笠間市月崇寺に築窯。松井康成の作品は、伝統的な美しさと現代的な感覚を見事に融合させており、1993年には重要無形文化財「練上手」保持者として人間国宝に認定されました。
板谷波山:日本の近代陶芸の巨匠
板谷波山(いたや はざん)は、明治から昭和にかけて活躍した日本の陶芸家です。近代陶芸の祖と称され、その革新的な作品と高い技術力で、日本の陶芸界に大きな影響を与えました。独自の釉薬(うわぐすり)を開発し、他の陶芸家にはない美しい光沢と深みのある色合いを実現しました。シンプルでありながら無駄を削ぎ落とした形と、美しい曲線、洗練されたデザインが特徴です。
まとめ
茨城県陶芸美術館は、陶芸の素晴らしさを広く伝えるために設立された、東日本初の県立陶芸専門美術館です。板谷波山や松井康成をはじめとする陶芸界の巨匠たちの作品を紹介し、企画展やテーマ展を通じて、陶芸の魅力を多くの人々に伝えています。訪れるたびに新しい発見と感動が待っているこの美術館で、陶芸の世界を存分に楽しんでください。