創建と歴史
水戸東照宮は、水戸藩 初代藩主・徳川頼房によって元和7年(1621年)に創建されました。徳川家康(東照公)を主祭神とし、徳川頼房(威公)を配祀しています。元和10年には2代将軍秀忠の霊屋が建てられ、以降、歴代将軍の霊が相殿として祀られるようになりました。
神仏分離と神式への改変
創建当初は「三所権現」と称し、中央に東照大権現、左に山王権現、右に麻多羅神が祀られていました。しかし、天保14年(1844年)、9代藩主斉昭によって寺僧は罷免され、神式に改められました。この変更により仏教色の強い左右の配神二座は除かれました。
近代以降の歴史
1875年(明治8年)に県社に列格し、1936年(昭和11年)には水戸藩主 頼房を配祀しました。1966年(昭和41年)には神社本庁の別表神社に加列されました。創建当時からの社殿は1917年(大正6年)に特別保護建造物に指定されましたが、1945年(昭和20年)の戦災で焼失し、1962年(昭和37年)に再建されました。
境内の見どころ
銅灯籠と常葉山時鐘
境内には徳川頼房が奉納した銅灯籠、徳川光圀が造らせた常葉山時鐘が現存しています。これらは歴史的な価値が高く、訪れる人々に過去の偉人たちの足跡を感じさせます。
安神車
徳川斉昭の考案による安神車(戦車)は、日本最古の「戦車」として知られています。これは装甲牛車のようなもので、鉄板で囲まれた中に兵士が入り、四方に設けられた銃眼から射撃できるように設計されていました。実戦に使われることはありませんでしたが、その独創的な設計は注目に値します。
重要文化財
水戸東照宮にはいくつかの重要文化財があります。例えば、太刀 銘則包作(附 糸巻太刀拵)は国指定の重要文化財です。また、総毛引紅糸李胴丸具足なども茨城県指定文化財として評価されています。
その他の文化財
水戸市指定文化財としては、銅造灯篭や銅造釣灯篭、三十六歌仙扁額などがあり、いずれも茨城県立歴史館に寄託されています。
社務所の再建
2012年(平成24年)4月17日、戦災からの復興50周年を記念して社務所の竣工奉祝大祭が挙行されました。建物は鉄骨造2階建、延床面積990平方メートルで、1階には儀式殿と社務室、2階には大会議室があります。
震災と復興
2010年(平成22年)4月に社務所の建設が着工され、当初は2011年(平成23年)3月に完成予定でしたが、東日本大震災の影響で完成が約1年遅れました。このように、震災からの復興の象徴として再建されました。
水戸東照宮の現在 地域との関わり
水戸東照宮は、地域の人々にとって重要な神社であり、多くの祭りや行事が行われています。地元住民や観光客が訪れ、歴史と文化を感じる場所となっています。
訪れる際の見どころ
水戸東照宮を訪れる際には、歴史的な建物や文化財に触れることができ、徳川家康や徳川頼房の功績を学ぶことができます。特に、安神車や銅灯籠などの見どころをじっくりと見学することをお勧めします。
歴史と文化が息づく水戸東照宮を訪れ、その魅力を感じてください。訪れるたびに新たな発見があることでしょう。