展示館と庭園
笠間日動美術館は、企画展示館、フランス館、日本館、そして野外彫刻庭園から構成されています。企画展示館では、国内外の著名な画家による展覧会が年間を通じて開催され、訪れるたびに新しい発見があります。フランス館では、日本近代絵画に大きな影響を与えたヨーロッパ印象派やエコール・ド・パリの巨匠たちの作品が常設展示されています。日本館には、画家が愛用したパレットコレクションが展示され、訪れる人々を魅了しています。また、野外彫刻庭園では、日本を代表する彫刻家たちのブロンズ像が四季折々の花樹を背景に展示され、美しい自然との調和を楽しむことができます。
貴重なパレット画コレクション
笠間日動美術館の中でも特に注目すべきは、国内外の著名な画家たちが実際に使用したパレット画コレクションです。このコレクションは、長谷川氏が親交を深めた画家たちから譲り受けた340点以上のパレットであり、世界的にも例のない美術史的に非常に貴重なものです。これにより、画家たちの創作の秘密や個性が垣間見える点が魅力です。
フランス館
フランス館は、1997年に創設者の記念館であった旧館を新しく建て替えたもので、その名の通りフランスゆかりの名画が数多く展示されています。1階には長谷川仁・林子記念室があり、夫妻に縁のある品や肖像画が展示されています。また、デッサン室やミュージアムショップも併設されており、美術ファンにとって充実した空間となっています。2階では、モネ、ドガ、ゴッホ、ルノワールなどの印象派からエコール・ド・パリの巨匠たちの作品が幅広く展示され、訪れる人々を魅了しています。
日本館
日本館では、画家たちが愛用したパレットコレクションが常設展示されており、その貴重さは国内外から高く評価されています。展示は定期的に入れ替えが行われるため、何度訪れても新たな発見があります。
企画展示館
企画展示館では、年間を通じてさまざまな特別展が開催されており、1階は絵画中心の展示室、2階は日本画や工芸品など幅広いジャンルの展示が行われています。また、2015年には、鴨居玲の没後30年を記念して「鴨居玲の部屋」が開設され、生前の作品や遺品が展示されています。
野外彫刻庭園
野外彫刻庭園は、フランス館、日本・アメリカ館、企画展示館の間に位置し、日本の具象彫刻界を代表する作家たちの作品19体が展示されています。また、竹林をはじめとする日本庭園も併設されており、自然の中で芸術を堪能できる特別な空間となっています。
ミュージアムカフェとショップ
館内には、ミュージアムショップとカフェ「Cafe de l'aube (カフェ・ド・ローヴ)」が併設されており、展示を楽しんだ後は、オープンテラスからの美しい眺望を楽しむことができます。特に、竹林を抜けて野外彫刻庭園を散策しながらフランス館や日本館を訪れると、美術と自然が一体となった贅沢なひとときを過ごすことができます。
春風萬里荘
春風萬里荘(しゅんぷうばんりそう)は、笠間駅の南側に広がる芸術の村に位置する笠間日動美術館の分館です。1965年(昭和40年)に、陶芸家であり多岐にわたる才能を持つ北大路魯山人が住居としていた茅葺き屋根の民家を神奈川県鎌倉市北鎌倉から移築して開館しました。館内は、魯山人が住んでいた当時のままの状態が保たれており、彼の遺作や日動美術館所蔵の名品が随時展示されています。