笠間ならではの多彩ないなり寿司
笠間稲荷神社の門前町では、いなり寿司を提供する店舗が数多く軒を連ねています。その種類は実に多彩で、酢飯にクルミや胡麻、地元名産の舞茸を入れたものや、酢飯の代わりに蕎麦を詰めた「蕎麦いなり寿司」など、他の地域ではなかなか味わえないバリエーションが揃っています。
笠間のいなり寿司を全国へPR
平成18年(2006年)には、笠間のいなり寿司を全国に広めるための団体「笠間のいなり寿司いな吉会」が発足しました。この会では、いなり寿司を通じて笠間の歴史や文化、芸術の魅力を発信する活動を行っています。
名店紹介
つの国や
創業1900年頃の老舗「つの国や」は、地元の味を大切にし、笠間の特産品をふんだんに使ったいなり寿司を提供しています。元々は商人宿として始まり、その後丼物店、ラーメン店を経て、現在の寿司店となりました。
つの国やのいなり寿司
- 酢飯を使用した一般的ないなり寿司
- 蕎麦を詰めた「蕎麦いなり寿司」
特に「蕎麦いなり寿司」は笠間ならではの一品で、具材には飯村きのこ園の舞茸を使用。煮込む際には、地元の酒造「笹目宗兵衛商店」の酒を用い、醤油やザラメ、三温糖で味付けされています。これにより、豊かな風味と絶妙な甘みが生まれます。
その他の人気メニュー
「つの国や」では、創業当時から提供している「天丼」や、昔ながらの「ラーメン」も人気のメニューとして親しまれています。
きむらや
「きむらや」の名前は、かつて存在した老舗パン屋「木村屋」に由来します。1950年ごろに店主の山口亘子(やまぐち のぶこ)さんのご主人が独立し、パン屋を開業。その後、1990年頃に蕎麦やうどん、いなり寿司を提供する店へと変わりました。
名物「そばいなり」
「きむらや」のそばいなりは、フレンチドレッシングと甘酢で味付けされており、微かな酸味と爽やかな風味が特徴です。ザラメで甘さを引き立てた油揚げとの組み合わせも絶妙で、訪れる人々を魅了しています。
豊富な種類のいなり寿司
「きむらや」では、そばいなりのほかにも、計8種類のいなり寿司が提供されています。
- くるみいなり:クルミを混ぜ込んだ風味豊かな一品
- こうなごと干しエビのいなり:海の幸を活かした味わい
- まぜ御飯いなり:乾燥山菜と酢飯を組み合わせたヘルシーな一品
- 高菜いなり:ゴマの風味が香る高菜のお漬物入り
- うめいなり:カリカリ梅がアクセントのさっぱり味
- そぼろいなり:合わせ味噌と砂糖で甘辛く味付けした肉そぼろと鮭フレーク入り
- れんこんいなり:昆布出汁を効かせたれんこんの旨味を楽しめる
多彩ないなり寿司を楽しむ
笠間のいなり寿司は、伝統を大切にしながらも、さまざまな創意工夫を凝らしたアレンジが加えられています。観光の際には、ぜひ異なるお店のいなり寿司を食べ比べて、自分のお気に入りを見つけてみてください。