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牛久沼

(うしくぬま)

牛久沼は、茨城県龍ケ崎市に位置する沼であり、一級河川である利根川水系の小貝川の支流に含まれます。この沼は、近隣の牛久市と同じ名前を持つものの、その全域は龍ケ崎市内にあります。かつては「太田沼」とも呼ばれていました。

地理と概要

牛久沼は、小貝川下流部にある小貝川低地と呼ばれる地域に位置し、筑波・稲敷台地(常陸台地)の末端にあたります。沼の周囲長は約25.5kmであり、平均水深は約1m、最深部でも3m程度です。かつては沼の周囲に浮田が点在していましたが、茨城県による河川改修と農地整備の進行に伴い、その景観は変化しました。

沼の東岸にはJR東日本の常磐線や国道6号(水戸街道)が通っており、最寄り駅は龍ケ崎市駅および佐貫駅です。冬になると、市の鳥である白鳥が約40羽飛来し、また、オオクチバスが生息しているため、その食性調査も行われています。

流入河川

流出河川

周辺の自治体

故事来歴

牛になった僧侶伝説

牛久沼には「牛になった小坊主」という伝説があり、この伝説が牛久沼の名前の由来ともされています。金竜寺に住んでいた小坊主は、毎日の勤行を怠り、怠惰な生活を送っていました。その結果、小坊主は牛になってしまい、自らの姿に恥じて沼に入水しようと決意しました。しかし、住職がその牛を助けようとしましたが、牛のしっぽが切れてしまい、牛はそのまま水底に沈んでしまったのです。住職はそのしっぽで払子を作り、現在でも寺宝として大切に保管されています。

河童伝説

牛久沼には古くから河童伝説があり、この伝説にちなんで沼沿いの遊歩道は「牛久沼かっぱの小径」と名付けられました。牛久市では、河童に関連した愛称が多く見られます。さらに、北畔に住んでいた日本画家・小川芋銭は、多くの河童画を描き遺しています。

うな丼「発祥の地」

牛久沼は「うな丼発祥の地」としても知られており、現在でも沼の周囲には多くのウナギ料理店が軒を連ねています。特に東畔の国道6号沿いには、最盛期に8店舗のウナギ料理店があり、その道は「うなぎ街道」として人気を集めていました。

牛久沼のウナギ料理店

東畔(うなぎ街道) - JR龍ケ崎市駅

※閉業:牛久亭、小名浜屋、水神屋、寺田屋

西畔周辺 - 牛久駅などからバス
北畔周辺 - 牛久駅
入地・市街 - 入地駅、関鉄竜ヶ崎駅

縁のある有名人

小川芋銭

河童画で有名な画家であり、牛久沼のすぐ近く(現在の牛久市内)に住んでいました。

住井すゑ

小川芋銭宅の近くに居住し、執筆活動を行っていた作家です。

映像作品

『男はつらいよ 寅次郎真実一路』

渥美清が主演し、山田洋次が監督した日本映画シリーズの第34作目であり、沼畔の稲敷郡茎崎町(現在のつくば市)森の里団地や龍ケ崎市の茎崎橋がロケ地となりました。

Information

名称
牛久沼
(うしくぬま)

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