砂沼の歴史
砂沼の歴史は江戸時代中期に遡ります。当時、新田開発の推進により、砂沼は一度干拓され、新しい農地として利用されました。しかし、その後周辺地域で深刻な水不足が続き、農業が困難な状況となりました。干拓から約60年後、地域の農民たちの強い要望により、砂沼は再びため池として復活しました。現在、砂沼は周辺1800haに及ぶ水田の灌漑用水として利用されています。
砂沼の自然環境
砂沼は、秋から冬にかけて多くのカモ類が飛来する自然の宝庫です。特にコガモ、マガモ、カルガモがよく見られ、時にはオナガガモやヒドリガモ、オカヨシガモなども観察されます。また、砂沼にはゲンゴロウブナ(ヘラブナ)やオイカワ(ヤマベ)、タモロコなどの魚類も生息しており、自然愛好家や釣り人にとって魅力的な場所となっています。
砂沼広域公園
砂沼の周辺は「砂沼広域公園」として整備されており、その自然環境を生かした様々なレクリエーション施設があります。園内はスポーツゾーン、水生植物ゾーン、遊歩道ゾーン、そして沼ゾーンに分かれており、それぞれでスポーツや散策が楽しめます。
観桜苑
砂沼広域公園の中でも特に有名なのが「観桜苑」です。この桜の園は5haを超える広大な敷地内に、約50種類・350本もの桜が植えられており、春になると美しい花が咲き誇ります。また、6月には2万9000本もの花菖蒲が咲き、訪れる人々を魅了します。
砂沼サンビーチ
かつて砂沼広域公園内には、夏季のみ営業していたプール「砂沼サンビーチ」がありましたが、赤字や施設の老朽化により、2018年(平成30年)に閉鎖されました。
下妻市観光交流センター
砂沼の南岸には、観光物産販売所やカフェレストランを備えた「下妻市観光交流センター さん歩の駅サン・SUNさぬま」があります。ここは観光客が一息つき、地域の特産品を購入したり、地元の味を楽しんだりすることができる場所として人気です。
砂沼大橋と飛翔像
砂沼の東岸と西岸は「砂沼大橋」で結ばれています。この橋は西岸が二つに分かれたY字形をしており、橋の中央には「飛翔像」が設置されています。像の足元からは、童謡「ふるさと」や地元のご当地ソング「砂沼夜曲」が流れ、訪れる人々に穏やかな雰囲気を提供しています。
アクセス
道路でのアクセス
砂沼へは、国道125号線や茨城県道15号結城下妻線を利用してアクセスすることができます。これらの主要道路を利用することで、茨城県内外からのアクセスも良好です。
鉄道でのアクセス
鉄道を利用する場合、関東鉄道常総線の下妻駅で下車し、徒歩やタクシーで砂沼へアクセスできます。かつては、夏季の砂沼サンビーチ営業期間中に、関鉄パープルバスが直行バスを運行していました。
まとめ
砂沼は、茨城県下妻市に位置する歴史ある農業用ため池であり、その豊かな自然環境と広大な公園施設で、多くの人々に愛されています。春には桜、初夏には花菖蒲が咲き誇り、秋冬にはカモ類が飛来するなど、四季折々の風景が楽しめます。また、砂沼大橋や観光交流センターなど、訪れる人々が楽しめる施設も充実しており、地域の観光拠点として重要な役割を果たしています。