開業から現在までの歩み
筑波サーキットは、その開業当初から、4輪の全日本F3選手権や全日本ツーリングカー選手権(JTCC)などの全日本選手権クラスのレースが行われるなど、日本のモータースポーツ界において重要な役割を果たしてきました。2024年現在では、4輪の全日本選手権クラスのレースは開催されていませんが、2輪の全日本ロードレース選手権や、F4、FJ1600などのジュニア・フォーミュラのレース、一般的な走行会やイベントなどが幅広く開催されています。特に2019年には、FIAインターコンチネンタル・ドリフティング・カップが開催されるなど、国際的なイベントも行われています。
筑波サーキットのコース解説
多彩なコースの特徴
筑波サーキットは、限られた敷地を最大限に活用し、多様なコースレイアウトを持つ点が特徴です。主なコースは「TC2000」と呼ばれるコース2000と、「TC1000」と呼ばれるコース1000の2つがあります。
コース2000
コース2000は、敷地内をほぼ完全に網羅するレイアウトで、比較的高低差が少ないものの、さまざまなコーナーが配置されており、走行には多くの技術が求められます。2輪車が走行する際には安全のためにシケインが設置され、その場合、コース全長は2,070mとなります。かつて行われていたストックカーレースでは、このコースを逆走する特別なレイアウトが使用されていました。
コース1000
2001年に全面改修されたコース1000は、かつて「東コース」と呼ばれていたミニバイク用のコースを改修したもので、全長約1,000mのコンパクトなコースです。4輪車も走行可能で、見晴らしが良く安全な設計が施されているため、サーキット初心者にも適しています。
ジムカーナ場とオーバルコース
筑波サーキットには、ジムカーナ場やオーバルコースといった他の施設もあります。ジムカーナ場は、本コースの最終コーナーの外側に位置し、ここでは各種練習会や大会が開催されます。また、オーバルコースはオートレース選手養成用として設置されており、JASCが公益財団法人JKAの関連団体であることから、この施設も運営されています。
イベントと記録
モータースポーツイベント
筑波サーキットは、モータースポーツ専門のDVDソフト『ベストモータリング』や『ビデオオプション』の主要なテストコースとしても知られています。これまでに多くのテストランがここで行われ、著名なドライバーたちが走行を披露してきました。特に『ビデオオプション』の「筑波スーパーラップ」(TSL)は名物企画となっており、2019年にはFIAドリフトのサポートイベントとしても実施されました。
コースレコード
筑波サーキットのコースレコードは、多くのカテゴリーで記録されています。公式戦以外の記録も参考として残されており、各種車両による様々なタイムアタックが行われています。これらの記録は、サーキットの性能やドライバーの技術を示す重要なデータとして、モータースポーツファンにとっても興味深いものとなっています。
サーキットの利用方法と設備
個人利用とライセンス
筑波サーキットでは、個人がコースを貸し切ることも可能です。翌年度の貸切は、前年の9月頃に募集が開始されます。首都圏に位置するサーキットであり、比較的貸切費用が安いことから、特に土日祝日の利用は人気が高く、実績のない団体による貸切は難しいことが多いです。
また、筑波サーキットで開催されるライセンス講習会を受講することで、ファミリーライセンスなどを取得でき、フリー走行枠を安価に利用することが可能です。冬季割引などもあるため、サーキット走行を気軽に楽しめる環境が整っています。
サーキットの設備
筑波サーキットは、コース2000のパドックやコース1000のピットエリアをはじめ、ドライバーズサロンや車検場、ガソリンスタンドなど、モータースポーツを楽しむための多様な設備が揃っています。観客のためのスタンドやトイレ、キッズルーム、授乳室なども完備されており、家族連れでも安心して訪れることができます。
アクセス情報
公共交通機関でのアクセス
筑波サーキットへの公共交通手段としては、関東鉄道常総線の宗道駅からタクシーで15〜20分の距離にあります。主要なレース開催時には、石下駅からの無料送迎バスも運行されるため、公共交通機関を利用する際には、これらを活用するのが便利です。
自動車およびバイクでのアクセス
自動車でのアクセスは、首都圏中央連絡自動車道の坂東インターチェンジが最も近く、サーキットまで約9kmです。また、常磐自動車道の谷和原インターチェンジからも約25kmの距離にあります。駐車場も完備されており、車でのアクセスも容易です。