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古河歴史博物館

(こが れきし はくぶつかん)

古河城の跡地で歴史と文化に触れる旅

茨城県古河市にある古河歴史博物館は、古河市の歴史と文化を深く掘り下げることができる貴重な施設です。特に、江戸時代の古河藩に関する貴重な資料が数多く展示されており、歴史ファンや郷土史研究家だけでなく、一般の人々も気軽に訪れることができます。

博物館の概要

古河歴史博物館は、かつての古河城の諏訪曲輪(出城)跡地に建設されました。建築家・吉田桂二による設計で、1992年には日本建築学会賞(作品賞)、1996年には公共建築賞(建設大臣表彰・文化施設部門)を受賞するなど、高い評価を受けています。

展示ホールの見どころ

本館の入口にある展示ホールには、オランダ製のストリートオルガンが展示されています。これは、江戸時代に古河藩主・土井利位や家老・鷹見泉石がオランダから得た知識を象徴するものです。また、展示室1では、古河藩家老・鷹見泉石が遺した資料を中心に、当時のオランダ地図や日本地図、古書や理化学機器など、多岐にわたる展示が行われています。

展示室2:古河の歴史をたどる

展示室2では、古河公方や古河藩、製糸工業の興隆、田中正造との関係など、古河の歴史が概説されています。特に、1/350縮尺の精密な古河城下模型が展示されており、江戸時代後期の城下町の様子を詳細に再現しています。

展示室3:古河ゆかりの文化人

展示室3では、幕末から明治期にかけて活躍した古河ゆかりの文化人とその作品が紹介されています。女流南画家・奥原晴湖や絵師・河鍋暁斎、古河画界の祖とされる枚田水石、書家・小山霞外などが取り上げられています。

企画展示室

また、企画展示室では、随時多様な企画展示が行われており、訪れるたびに新しい発見があるでしょう。

鷹見泉石記念館と繍水草堂

本館の隣接地には、古河藩家老・鷹見泉石の晩年の居宅が改修され、「鷹見泉石記念館」として公開されています。また、古河出身の南画家・奥原晴湖が晩年に使用した画室「繍水草堂」も移築され、2010年から一般公開されています。

文化財としての所蔵品

鷹見泉石関係資料

鷹見泉石が遺した13,033点の資料のうち、3,151点が国の重要文化財(歴史資料)に指定されています。これらの資料は、幕末の政治・外交・文化の動きを伝える貴重なものであり、古河歴史博物館の展示室1にて代表的なものが常時展示されています。

河口家医学等関係資料

古河藩に仕えた蘭医・河口家に伝わる資料も、本館にて保管されています。河口信任が自らの執刀で行った日本初の人体解剖の成果を記した「解屍編」初版本をはじめ、医学書や医療器具などが展示されています。これらの資料は、平成19年(2007年)に茨城県指定有形文化財(歴史資料)に指定されました。

足利成氏書状と土井利勝書状

古河公方・足利成氏による下野小山氏宛文書や、幕府大工の棟梁に対する指示を与えた土井利勝の書状も、古河市指定有形文化財として保存されています。

盈科堂記・盈科堂学館記

享保9年(1724年)に創設された藩校・盈科堂に関する「盈科堂記」と「盈科堂学館記」は、古河藩主・土井家の教育への関心と期待を伝える貴重な資料で、古河市指定有形文化財に指定されています。

尼僧立像と楓樹

江戸時代前期の円空作による尼僧立像や、鷹見泉石記念館の庭に植えられた楓樹も、古河市指定有形文化財および天然記念物に指定されています。

刊行物と研究成果

古河歴史博物館は、これまでに研究紀要『泉石』や鷹見家歴史資料目録、奥原晴湖粉本資料目録など、多くの刊行物を通じて、館内に所蔵される貴重な資料の研究成果を発表してきました。

アクセスと利用案内

開館時間

古河歴史博物館は、4月から10月までは9:00から18:00まで、11月から3月までは9:00から17:00まで開館しています。国民の祝日の翌日や年末年始、館内整理日(第4金曜日)は休館日となります。

入館料

本館の入館料は、大人400円(団体300円)、小中高生は100円です。また、古河歴史博物館・古河文学館・篆刻美術館の3館共通券は600円で販売されています。鷹見泉石記念館と繍水草堂は無料で入館できます。

アクセス

博物館へのアクセスは、JR東北本線(宇都宮線)古河駅西口から徒歩15分、または東武日光線新古河駅東口から徒歩25分の距離です。

Information

名称
古河歴史博物館
(こが れきし はくぶつかん)
開催期間


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付帯設備


駐車場


備考


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