概要
歴史と自然が交わる公園
古河総合公園は、22.4ヘクタールの広大な敷地を持つ公園で、未整備部分を含めた計画面積は25.2ヘクタールに達します。設計監修は、景観学者である中村良夫(東京工業大学名誉教授)が担当し、公園は「人間の歴史と自然の変遷がない交ぜになった有為転変の風景」を意識して設計されました。
また、地元の住民が集い、イベントが開催される「パークマスター」制度も提案され、公園は地域コミュニティの中心としての役割も担っています。公園内には、古河公方足利氏の御所跡(古河公方館跡)、徳源院跡、御所沼、民家園(旧飛田家住宅・旧中山家住宅)、遊具広場、大賀ハスの蓮池、約2000本の花桃が植えられた桃林など、多彩な施設や景観が広がっています。
文化的価値と国際的評価
2003年、古河総合公園はユネスコとギリシャが主催する「文化景観の保護と管理に関するメリナ・メルクーリ国際賞」を日本で初めて受賞しました。この賞は、地域の文化的景観を保護し、未来に継承するための取り組みが評価されたものです。公園は現在も、一般財団法人古河市地域振興公社によって管理運営されています。
沿革
古河総合公園の歴史は以下のように進んでいます:
- 1972年:大総合公園主要構想案
- 1973年:古民家移築(旧中山家・旧飛田家)
- 1975年:一部開園(5.0ha)、千葉市から大賀蓮寄贈
- 1977年:第1回桃まつり開催
- 1978年:遊具の寄贈
- 1980年:クジャク小屋建設
- 1989年:基本計画の見直し
- 1990年:富士見塚完成、長塚節・若杉鳥子の歌碑建立
- 1992年:御所沼の復元開始
- 1995年:天神橋完成
- 1996年:御所沼の復元完了
- 1997年:公園周辺整備計画(計画面積を25.2haに拡大)
- 1998年:管理棟・ジェラテリア完成
- 1999年:パークマスター着任
- 2001年:第1回お茶つみ体験と百席茶会
- 2003年:ユネスコ主催の「文化景観の保護と管理に関するメリナ・メルクーリ国際賞」を受賞
- 2015年:愛称「古河公方公園」となる
主なイベント・花の見頃
古河総合公園では、四季折々の花々が楽しめるイベントが多数開催されています:
- 梅花:2月上旬〜3月頃
- 古河桃まつり:3月20日〜4月5日
- ふるさと古河新茶まつり:5月第三日曜日
- 花菖蒲:6月初旬(現在は植えられていない)
- 大賀ハス:7月
- ハギ・ススキ:9月
- 紅葉:10月下旬〜11月下旬
古河総合公園の見どころ
古河公方館跡
初代古河公方・足利成氏によって建てられた中世城館跡であり、歴史的価値が高い場所です。
御所沼
御所沼は、古河公方御所(古河公方館)の周囲に広がる沼地です。地元の伝説によれば、利根川が氾濫しそうになった際、大男のダイダラボッチが洪水を押し戻した際にできたとされています。昭和24年(1949年)に干拓され消滅しましたが、平成8年(1996年)に一部が復元されました。
徳源院跡(古河公方足利義氏墓所)
徳源院跡は、桃林に囲まれた一角にある古河公方ゆかりの寺院跡で、鎌倉円覚寺末の臨済宗寺院でした。茨城県指定文化財(史跡)に指定されており、歴史的にも重要な場所です。
公方様の森
御所沼に囲まれた半島状の台地に広がる雑木林で、かつての古河公方御所の跡地です。イヌシデやコナラを主体とした自然豊かな森が広がっています。
施設概要
管理棟
1998年に完成した公園の入口に位置する木造建造物です。設計は内藤廣によるもので、建物の中心を流れる二入川が東から御所沼に流れています。
ジェラテリア
公園の中央部、御所沼のほとりに位置するガラス張りの飲食施設です。1998年に完成し、設計は妹島和世が担当しました。景観を楽しみながら食事を楽しむことができます。
文化財
古河総合公園には、以下の文化財が存在しています:
- 古河公方足利成氏館跡:県指定文化財
- 古河公方足利義氏墓所:県指定文化財
- 旧飛田家住宅:国の重要文化財
- 旧中山家住宅:県指定有形文化財
交通・アクセス
古河総合公園へのアクセスは以下の通りです:
- 古河駅より:タクシー10分、徒歩40分
- 新古河駅より:タクシー10分、徒歩40分
- 東北自動車道久喜インターチェンジより:車で古河市中心部方向へ30分
周辺公園施設
古河総合公園の周辺には、以下のような施設もあります:
- ネーブルパーク
- 広域中央運動公園