小麦粉をダシ汁で溶いたゆるゆるの生地にキャベツや切りイカ、卵、紅ショウガ、ネギなどお好みの具材を入れて、鉄板の上でヘガシと呼ばれるヘラでかき混ぜながら食べる、もんじゃ焼きをより素朴にしたような鉄板焼き「たらし」。大正時代のころから主に駄菓子屋さんで売られ、学校帰りや休日のおやつとして世代を超えて町民に愛されてきた大洗のソウルフードだ。味付けはしょう油かソースのお好みで。椀に入った具材を少しずつ鉄板にたらし、ヘガシで押し付けて焦げ目をつけながら、熱々をハフハフしながらほおばれば、素朴な味が口いっぱいに広がる。もんじゃ焼きと違って「土手」は作らない。焼いているうちに鉄板上にできるパリパリのせんべい状のおこげも香ばしさがたまらない。